曲目解説3

こんにちは!😊

今日は9/21のコンサートで前半最後に演奏するプーランクのヴァイオリンソナタについて書きます。

フランシス・プーランク(1899年〜1963年)はフランスの作曲家で、20世紀前半フランスで活躍した「フランス6人組」と呼ばれる集団のひとりでした。

彼は声楽、室内楽曲、バレエ音楽、オペラなど様々なジャンルの楽曲を手がけていますが、弦楽器より管楽器の音色を好んだとされており、ヴァイオリンソナタは今回演奏する一曲だけです。(ヴァイオリンとピアノによるバガテルという短い曲も一曲あります。)
どちらかというと管楽器奏者に馴染みのある作曲家かもしれません。

このヴァイオリンソナタの大きな特徴として、スペインの詩人ファデリコ・ガルシア・ロルカを偲んで書いた点が挙げられます。

ガルシア・ロルカはスペインの詩人で、音楽や絵画にも才能を窺わせる多彩な人物でしたが、1936年(38歳)にスペイン内戦の際に銃殺されてしまいます。
このソナタでは、その銃殺された現場を描写した思われるシーンが3楽章の終盤にピアノによって演奏されます。
そのようなドラマチックな情景がイメージできることも、このソナタが多くの人々に愛されている理由かもしれません。
また、2楽章冒頭には、ロルカの詩「六弦」(1924年)冒頭のフランス語訳が綴られています。

〔La Guitare fait pleurer les songes〕

''ギターが夢に涙を流させる"


2楽章ではこの冒頭に記されている詩のように、
ギターの音色を彷彿とさせるようなピッチカート(弦を指ではじく奏法)がみられます。
激しい1.3楽章とは異なり、優しく夢想的な美しい2楽章です。

また、この曲はプーランクによる直接的な指示が多い作品です。
例えば
「tres violent」 とても暴力的に
「douloureux」痛い、苦しい
「brusque」ぶっきらぼうな
など。

このような直接的な指示はプーランクの作品にしては珍しいそうです。
ロルカの痛みを表現するためには少し強い言葉を使わなければならないと考えたのかもしれません。

たくさんのヴァイオリニストによる録音がありますが、今日は私の敬愛するヴァイオリニスト ジャニーヌ・ヤンセンの録音を添付します。
9/21のコンサートまで残りわずかです。
みなさまのご来場お待ちしております!
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伊藤 瑳紀✴︎Violin

大阪交響楽団でヴァイオリンを弾いております🎻 東京生まれ東京育ち、大阪在住3年目です。 出張演奏始めました!!! その他演奏会、レッスンなどのご質問等は、メニューのお問い合わせ欄からお願い致します🤲